備中青みかげとは

備中青みかげは、岡山県倉敷市の西北15km地点に位置する小田郡矢掛町でのみ産出される中国地方でも指折りの高級墓石材です。 石質は深成岩の一つである「閃緑岩(せんりょくがん)」。日本国内で産出される御影石(みかげいし)に多い花崗岩(かこうがん)と比べて硬くて色が黒っぽいのが特徴です。 石の色は美しい青緑色をしており、自然光の中で見ると特に美しく、深緑色と黒色との深みのある色調が際立ちます。きめ細かい石目は、磨くと緑がかった青色の非常に美しい光沢を放ちます。地域により、讃岐青、矢掛青、飛鳥、青みかげ等のネーミングでも呼ばれ、国産閃緑岩墓石材の代表的な一つとされています。

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歴史

岡山県の南西部、倉敷市の西北15kmにある山あいに位置する矢掛町は旧山陽道の宿場町で、篤姫や毛利家その他の殿様が宿泊した、本陣や脇本陣が残っている街です。町の中心を東西に流れる小田川に面した東川面の山の一地帯だけに備中青みかげはあります。 採掘され始めたのは、昭和36年頃からで、北木石や万成石など岡山県の産地のうちでは、丁場が開かれて歴史が浅く山が新しく埋蔵量も豊かなことで、これから伸びてゆく産地といわれています。

創業者が採石を始めたころは今のような便利な機械が無かったので、採石した石の出荷は、人力で山から麓まで下ろし、牛で引いて小田川の対岸に渡していました。その後、山の頂上からワイヤーとロープを使って、小田川の反対の岸におろすという方法で採石していたので「空飛ぶ石」とも呼ばれていました。現在は、車で直接丁場に入れるようになっています。

備中青みかげは「矢掛石」とも呼ばれていますが、もともと「矢掛石」とは庭石として採掘されていた黒色の石で、矢掛の銘菓にもなっています。現在ではほとんど採掘されていないので、「矢掛石」の名前は墓石材や建材に使われる白みかげ石と備中青みかげを示すようになりました。

採石がはじまり歴史はまだ浅いですが、40年以上前から関東・中部から、西は関西・山陰・四国まで、広範な地域で高級な墓石材として使用されています。東京都内では都営小平霊園・都営多磨霊園・都営八柱霊園(松戸市)などの都営霊園や各市営霊園で多く使用されています。

特徴

備中青みかげは深成岩の中の一つで、花崗岩より硬い閃緑岩に分類されます。原石の形状は玉石。

独特の青味を帯びた黒色(深い青緑色)が特徴で、自然が作り出した美しい光沢を放ちます。石目のきめが細かいため、磨くとさらに美しい光沢を放つのも特徴です。

吸水率は低く水抜けも良い、硬くて耐久性に優れた石です。

用途

主に高級墓石材として。それ以外にも、土木、建築、記念碑、歌碑、オブジェ、その他石工事など、様々な用途に使われています。 閃緑岩ならではの幻想的な色模様に魅せられ、芸術家の方にも好まれています。

人気の理由

きめ細かい黒に、青みがかかった、石によっては少し緑がかった深みのある色合いが多くのお客様に愛されています。長い年月風雨にさらされても光沢を失うことなく、飽きのこない美しさが保たれている所も人気の一つです。

データ

見掛け比重:2.788t/m3
吸水率:0.041%
圧縮強度:117.76N/mm2
岩石分類:閃緑岩(せんりょくがん)
年間採石量:5,000才

産地証明

備中青みかげは、岡山県西部の小田郡矢掛町でしか採石されない石です。ご希望がございましたら、日本石材産業協会発行の石材産地証明書を発行いたします。