さまざまな石

日本のお墓は8割近くが外国産の石で建立されているといわれていますが、日本のお墓は、もともと地域の地場で採掘される石を使って建立されてきた歴史があります。石の流通も荷馬車で運べる範囲の限度があったので、江戸時代から明治にかけてのお墓をみると地場の石を見ることができ、昔から日本国内でさまざまな石が採掘されていたことがわかります。
お墓の耐用年数は100年以上などと良く言われますが、石が日本の風土に合うか合わないかは、数年単位ではなく数十年単位でなければ判らないものです。日本国内の海外産墓石の耐用実績は古いものでもまだ15年から20年。後悔しない墓石選びをするためには、石の知識・特徴を知ることが大切です。購入前からしっかりと知識を身につけてお墓選びをするために、実際に石材店や産地に足を運んでみてください。きっと色々な発見があります。
最近徐々に見直されつつある国産の石。弊社でポピュラーな石材の一部をご紹介します。
国内の石
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- 庵治石<香川県>
- 日本三大花崗岩の一つで、世界でも花崗岩のダイヤと呼ばれて高く評価されている石材。墓石材では「細目(こまめ)」「中目(ちゅうめ)」があり、最高級の庵治石小目には「班(ふ)」と呼ばれる珍しい模様が現れます。世界に類のない質の良さと希少価値から、石材の単価としては世界一。
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- 青木石<香川県>
- 色むらがなく落ち着きのある均一した目合い。独特の青みがあり、墓石のほか建築石材としても評価され、さまざまな分野で使われている。
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- 大島石<愛媛県>
- 青みを含んだ気品のある石肌が特徴。建立後、時を経る毎に青みが強く感じられ益々美しくなる石。関西・中国地方で人気。
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- 万成石<岡山県>
- 美しい淡紅色が特徴ゆえに柔らかく見られがちだが非常に硬い花崗岩。墓石をはじめ、銅像台、彫刻、碑、建築等に使われている。別名「桜御影」。
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- 北木石<岡山県>
- 岡山県笠岡市の北木島から産出される花崗岩。白色を主とした中粒の黒雲母花崗岩で、「中目」「瀬戸赤」「瀬戸白」がある。北木石は江戸時代から明治・大正・昭和さらに現代に至るまで、日本の歴史的建築・建造物・墓石に多くの功績を残している。
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- 備中青みかげ<岡山県>
- みかげ石には珍しい深い青色の持ち味から、墓石をはじめ、碑、彫刻、土木・建築等多分野で使用されている。地方により「讃岐青みかげ」「矢掛青みかげ」「飛鳥」と名称されている。吸水率が非常に低く、硬くて排水の良い石。
海外の石
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- G614<中国 福建省>
- 輸入墓石材として、良く使われるポピュラーな石のひとつ。細目みかげ。吸水率が高く、排水が悪い。
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- G603<中国 福建省>
- 中国の代表的みかげ石。あらゆる分野で使用されている。
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- AG213<中国 福建省>
- 日本の大島石に似ている石。吸水率が高い。
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- 栄州<韓国>
- 韓国では開発当初より生産されている代表的な白みかげ石。
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- SPI<ポルトガル>
- ポルトガルの白みかげ石。吸水率は低く、さびに強く硬質。石の目は小目で、日本の庵治石に似ている石。